僕の彼女は幽霊で


「…何?」

「あ、のね、」

俺の予想していない言葉を
君は言う。




「私が死んだら、
  キスしてほしい。」





「…ぇ?
 何、言ってんの?」

「私ね、生き、
 られない気がする、の。
 だ、から、」

「死んじゃだめだ!」

俺は大きな声で君にいった。

「死んだら、嫌だ。
 死なないで、生きて、よ。」

両の瞳から涙が溢れて、
君の頬を濡らす。

君は少し驚いたような顔をしてから、
笑って言う。

「うん。わかっ、た。
 が、んば、るね。」

そして君は、
緊急治療室と書かれた、
部屋の奥へと消えていった。

俺はただ立ち尽くしていた。
泣きながら、