だけど、 俺は真正面からではなく、 横から吹き飛ばされた。 君が、俺を 横に突き飛ばしたからだった。 君は優しく笑う。 俺は悲痛に叫ぶ。 「凛!!」 初めて君の下の名前を呼んだ、 俺にとって記念すべき声は、 車が君を跳ね飛ばす音にかき消された。 君が空中を舞う。 綺麗に。 そして、 地面に叩きつけられた。 君を中心に血が溢れ出て、 池のようになった。