そして、門の外までたどり着いた。


そこで、後ろを振り向くと悔しそうな顔をしてこちらをみているお母様がいた。


「追ってこない…?」
「ヴァンパイアの姫はあそこから出られないんだ」


なるほど…
だから、追ってこれないんだ。


「じゃあ、私達の勝ちだね! 逃げ切ったんだもん」


にっこり笑うと、圭太も笑って、


「そうだね」


といった。


「舞華…」


突然横から華雷の声がした。


「どうして、そいつを助けたんだ」
「ほっとけなかったから」
「そんな奴助けなくったっていいじゃないか……」


「だって、圭太の為に何かしてあげたいって思ったから」


いろいろあって、圭太の優しさを知った。
それに、数日間だったけど彼からはたくさんのものをもらった。
そのお礼がしたかったんだ。


「よし、帰ろう!」
「そいつはどうするの?」
「連れてく。隼人のお母さんなら快く受け入れてくれると思うんだ♪」
「えっ……?」


華雷はそうくちにし、圭太は言葉のでないほど驚いていた。


「どうして、そんなに驚いているの?」


そう聞いたけど二人ともなにも聞こえない。


それから、家に帰るまで電車に沢山乗ってたけど、二人とも一言も話さなかった。