ダルターニの長い一日

ハーリーの思考回路は混乱状態に陥っていた。



「三日後、フォン=ミューシャン公より私宛にパーティーの招待状を届けてもらいたい。もちろん招待状はお前が書くのだ。お前にはベルシナに用事を使わしたと言う事にして、その時、フォン=ミューシャン公より手紙を預けられた。と、言う設定だ。どうだ、良い考えだろう?」

「はい・・・・・・」



風は先程と変わらない筈なのに、何故か冷たく感じる。



「寒い・・・・・・」



(きっと父上には、僕とエルの他にも娘がいるんだ。父上は僕たちなんかより、その姫君の方をとても愛しているんだ。)・・・・・と、あの話を聞いていれば嫌でも理解しないわけにはいかない。

ハーリーは事実を知りたくて、シュレイツに訳を問い詰めようと、馬小屋の方に止められているハーリーの馬車に乗り込んで、彼が来るのを待っていた。