「人間の血が混じる子を魔界に置いては国民に示しがつかないと、ルカはフランの子でありながら、魔界にいることを許されなかった……」


「………」


「フランが悪魔だとわかった時点で、この恋を諦めていれば、こんなことにはならなかったのに……」


チヅルさんの声が震えた。


「フランを困らせることなく。
ルカを、辛い目に合わせることなく……」

私が他の人を好きになっていたら。


チヅルさんは、肩を震わせ涙を流した。



「そんなこと言わないでください」


「………」


「チヅルさんがもし他の人と結婚して子供を産んでいたら、ルカはこの世に存在しないんですよ?」


「その方がよかったのよ……」


「私は、それは違うと思います。
そりゃ、ルカはヘイリと違ってハーフだし魔界で他の悪魔に嫌われているかもしれないけど。
けど、ルカはいなきゃいけない存在だと思います」


「………」


「あんまりうまく言えないけど、ルカの、この小さな頃の笑顔を見たら、何となくそう思いました」



ああ……

私は一体なにが言いたいんだろう。

言いたいことがなにもまとまってないじゃん。