初めて見る、ルカの跪く姿。


あの俺様なルカが、私の目の前で胸に手を当て跪いている。


開いた口が塞がらなかった。


「そんな悲しいことを言うではない。
おまえがなかなか魔界へ来ないから、わざわざ迎えに来てやったというのに」


ゾクっ……

ヘイリの冷たい頬笑みを見た瞬間、体が凍った。


ルカを見下した目。

それは憎しみの溢れた、恐ろしい目付きだった。


「申し訳ございません、兄上。
すぐに魔界へ参ります」


ルカがスッと立ち上がる。


その瞬間、ヘイリと真っすぐに目が合った。


……え?

な、なに?


私、アイツには見えてないんじゃないの?

ちゃんと、結界張ってあるんだよね?


でも今、確かにアイツと目が合って

嫌な笑みを向けられた気が……



「貴様、何やら面白いものを飼っているようだな」