いつもクールな顔が、痛みに歪んだ。


やっぱり……

右腕、怪我してる。


「ルカ様っ!!!!
何があったのです?
ひどいケガではないですか!!」


私がルカの袖を捲り上げると、シキが血相を変えて駆け寄ってきた。


ルカは私の手を払いのけ、すぐに袖を戻した。


「こんな傷、たいしたことない」



いやいやいやいやっ!!!!

普通に血ぃ流れてるしっ!!

しかもそれ、軽く骨いってるでしょ!!


「ルカ、あんた、一体魔界に何しに行ってんだ?
昨日の切り傷に続きこのケガって……
絶対会議なんかじゃないだろ!?」


私が言うと、シキはハッとしてルカを見た。


「ま、まさか……
ヘイリ様に――」

「黙れ、シキ」


ルカは、またシキの言葉を遮った。


「言ったはずだ。
ベラベラと口を開くな」


「ですが――っ!!!」


ギロリ。 と、シキを睨みつけた。


シキは口をつぐみ、悔しそうな表情をしながら頭を下げた。


「……申し訳ございません」


そんなシキを見て、私はいたたまれなくなった。


シキはルカの事をこんなにも心配しているのに!!

こんな態度の取り方はないよっ!!


「ちょっとルカっ!!!!
あんた、心配してくれてるシキに対してその態度はないんじゃないの?」