「ルカ。 あんた、左利きだったっけ?」 ルカが左手でおにぎりを掴んでいるのが、なんだか不自然で。 どうみても、不慣れな手付きだった。 ルカの眉が、一瞬ピクリと動いた。 さっとおにぎりを皿に戻すと 「おい、チビブス。 貴様はブスのうえに味覚も悪いのか」 「え?」 「塩の使いすぎだ」 ルカは、私の話を完全に逸らした。 いつもなら、ここでカッチーン!!とくるところだけど。 ルカの様子が、少しおかしくて 私は、ルカの右腕を強く掴んで上に持ち上げた。 「……っく」