「……うるさい」


ベッドの中からかすれた声。

でも、そんな声なんて完全シカト。


部屋中のカーテンを全て開けていき

ルカの布団をはいでやった。


「――どわっ!!?」


布団の中のルカは上半身裸。


腕で太陽の日射しを遮り、眩しそうに私を見た。


「お、お、おまえっ!!
服を着ろっ!! 服をっ!!」


焦る私をよそに、ルカはボーっとしながら体を起こした。


猫背気味にベッドに座り、ふぁっと欠伸をする。


寝癖のついた頭をポリポリかくと、また私に目を向けた。



「おい、ブス」


「な、なんだよ……」


「貴様、自分に似合う服も選べないのか」


「……っ!!!!」


「つくづく可愛そうなヤツだな」


ふぁっと、もう一度欠伸。


この野郎。

寝起き一発目で、よくそこまで悪口が言えるよな。


えーえーえー、わかってますよ。

この服が似合ってないことぐらい、とっくの昔に気づいてますよ。

でも、着る服がこれしかなかったんだよ!!

悪かったな、ブスで!!