「本気に決まってんじゃん」


ジッと、ルカを見据えた。


お互いの目に、お互いが映る。


ずっと逸らさなかった。


「おもしろい。
おまえのような女は初めてだ」


冷たい笑み。

なにも感情を感じられない、恐ろしい笑みだった。


「俺に口答えしたこと、後悔するなよ」


「フンっ。
その言葉、そのまま返すよ」


私は、クルリと踵を返し部屋を出た。


これ以上、あいつと同じ空間にはいられない。

イライラが限界を超えて、心の教育どころかもっと性悪になってしまう。


それじゃ、いつまでたっても人間界へは帰れない。


ああ、もうっ!!

私ってどうしてこんなに短気なんだろう。


少しはあいつの言いなり通りに動けたら、スムーズにいくかもしれないのに!!


私のアホっ!!!!


ちょっとは考えてモノを言えるようにならないと。

あいつの性格はめちゃくちゃ子供なんだから、私が大人になってやらないと。


明日からだ。

明日からは、大人になろう。