「サラ様」


シキは私に手招きをし、私の耳元に口を近づけてきた。


「ルカ様は、ずっとサラ様の心配をなさってたんですよ?」


……え?


「ずーっと、サラ様の心音を確認し、ずーっとサラ様に“惑わされるな”とお声をかけていました」


アイツが、そんなこと……?


アイツの声が頭に響いたのは確かだ。


でも。

ずっと、私を気にしてくれていたなんて……


「ルカ様の前で言うと、また機嫌が悪くなってしまいますので」


そう言って、シキはウインクした。


ルカ……


ドックン。


鼓動が高鳴る。


ルカの背中を見ているだけで

何だか、くすぐったくなった。