首を傾げる私に、
「参りましょう」
シキは、尚も優しく声をかけてくれた。
「ねぇ、シキ」
ルカの背中を追いながら廊下を歩き、シキにたずねた。
「どうして、私達はこの屋敷に戻ってこれたの?」
シキはフフっと笑った。
「サラ様のお力があったからです」
「私の、力?」
そんなすごい力なんて、私持ってないぞ。
「ルカ様を守りたいというサラ様の気持ちが、そのネックレスに届いたのですよ」
ネックレスに?
私は、首からさがるネックレスをギュッと握った。
「サラ様は、あのビンの薬をご自分の為ではなく、ルカ様の為にお使いになりましたよね?」
「……うん。
必死だったから……。
あれを飲んだらどうなるのかわからなかったけど、考えてるヒマはなかったんだ」
よかった。
あれをすぐに使って。
そうじゃなければ、今頃ルカは……


