カツ、カツ。

ヘイリの靴の音が響く。


「人間よ。
よくも私を裏切ってくれたな」


「うるさい!! 黙れ!!」


「本当に、人間は弱いくせに威勢だけはよいのだから」


「………」


「よい。
貴様がルカを始末しないのなら、この俺が始末するとしよう」


「……なに?」


「もちろん、貴様も一緒にあの世に送ってやる。
優しいであろう。二人一緒にしてやるのだから」


ハハハハハっ!!


ヘイリは、甲高い笑い声をあげた。


「人間、短い間だったが、私は本当に楽しかったぞ」


ニヤリと笑ったヘイリ。


ヘイリが高々と手をあげると、ヘイリの手の周辺に眩い光が集まってきた。


ダメだ!!

このままだと、本当に殺されてしまう。


くそっ!!

私は口先だけで、ルカを守ることはできないのかよ!!

このまま、ヘイリにやられておしまいなのかよっ!!


私はルカを守るように抱きかかえ、身を縮めた。



その時――…