悪魔というものは、常識ってーのを知らないのかね!!!!


私、こう見えても一応女なの。

年頃の女子高生なの!!


社交辞令でも“キレイですね”とか言えねーのか!!!!



「フン。
まぁ、いい。この女だと、せいぜい1時間といったところか?」


「ルカ様っ!!
またそのようなことを!!」


「なんだ、シキ。
この俺に口答えする気か?」


ギロリ。と、シキを睨んだ。


ルカのその目は、空気を凍らせ、周りを一気に闇の世界に引きずり込む鋭さだった。


グッと押し黙ったシキ。


私に目を向けると


「サラ様、あとはよろしくお願いいたします」


私に一礼して、足早に部屋から出て行こうとする。


「えっ!?
ちょっと待ってよ!! いきなり野放しなの!?」


大声を上げると、シキはドアの前でクルリと振り返った。


「サラ様のお好きなようにされて結構でございます。
きまりはございませんので」


「そうは言っても――」


「ああ、あと。
何か困ったことがございましたら、何なりとこのシキにお申し付けください」


それでは。 

その言葉を最後に、シキは大きなドアの向こうに消えていった。


あの……

今この状況が、

まさにそれなんですけど……