また、背中に“渦”を感じた。
母を無表情で見下すルカと
必死でチヅルさんの止血をするシキと。
意識の薄れていく中、ルカを優しく見つめるチヅルさんを。
しっかりこの目で見ながら、背中から感じる“渦”に吸い込まれた。
頭は真っ白。
ルカが自分の手で母を斬りつけるのを、目の前で見てしまった。
幼い頃はあんなに幸せそうに、チヅルさんと触れあっていたのに。
あんなに嬉しそうに、チヅルさんの膝の上に乗って笑顔を向けていたのに。
チヅルさんは、ルカにありったけの“愛”を注いでいた。
それを、ルカは存分に受けていたはずだ。
それなのに……
それなのに……
色の戻った世界。
私の目の前には、クククっと笑うヘイリ。
私は、頬を流れる涙を、堪えることができなかった。



