「お呼びでしょうか、兄上」
ドアを開け入ってきたのは、ルカだった。
少し大人になっている。
今よりは幼いが、そんなに昔の出来事ではないようだ。
ルカはしっかり床を踏みしめ、私の目の前までやってきた。
そして、跪いた。
「ルカよ。
聞いたぞ。おまえ、大魔王様に認められたようだな」
「………」
胸に手を当て跪くルカは、それには答えなかった。
「立派になったものだな。
世継ぎに選ばれるとは」
「兄上には及びません」
ルカは頭を上げずに言った。
それと同時に、弾んだヘイリの心。
またニヤリと口角を上げ
「ルカ、頭を上げよ」
これから始まる“喜劇”に、心を躍らせていた。



