白黒のメイドさんが、私を“見下ろし”ながらヘイリの名を口にした。
何言ってんの?
ヘイリっ?
私は、ヘイリが近くにいるのかと辺りをキョロキョロ見回した。
でも、どこにも見当たらない。
「ここへ来てはダメだと、フラン様から言われているでしょう?
さぁ、“あちら”へ戻りましょう。
フラン様が心配なさいます」
メイドさんは私の腕を掴み、歩き出した。
えっ!!!
ちょっ、待ってっ!!
私はヘイリじゃないっ!!
よく見ろっ!!
サラだろっ!!
そう叫びたいのに、声にならない。
代わりに口から出てきたのは
「嫌だっ!!!!
帰りたくないっ!!!」
全く思ってもいない言葉だった。
それも、とても幼い、子供の声。



