「おい。
アイツ、人間じゃね?」


……え?


突然の声に、ハッと視線を上げる。


そこにはニヤリと笑う2人の悪魔が、私を見下していた。


冷酷な笑み。

背筋がゾクっとする。


危険を感じ、路地へ体を引っ込めた。


でも、2人の悪魔はうまそうな獲物を見つけたハイエナのように私から目を逸らさなかった。


「珍しいな、人間がこんなとこにいるなんて」

「どこからか迷い込んだのか?」

「うまそうだな」

「うまそうだな」

「俺から喰っていいか?」

「いいや、俺からだろ」


声をひそめて、恐ろしい事を話している。


「おい。
他のヤツに取られる前に、とっとと喰っちまおうぜ」

「そうだな」


そう言った瞬間、悪魔2人は急降下し始め、私目掛けて飛んできた。