「それマジでいってるのか?紅ー…」



『紅ー……それ、私の名前…?』



何いってんだ私。


自分の名前は…、名前は……



覚えていない。



血の気が引いていくのが分かった。



人間なら誰でもわかる、自分の名前。



それを、私は知らない。


少年の名前も…知らない


「…俺の名前は、佐藤拓。
なにか思い出せない……?」



“紅ちゃん、まってぇ”

“紅ちゃんって呼ばないでよ!ばかたく”

“赤ちゃんってか?”

少しだけ、思い浮かぶ…君の名。