chocolate―泣き虫girlとクールboy―

歌い終わったのか凛ちゃんが私の携帯を覗き込んできた。




「お母さんから。もうそろそろ帰っておいでって」



時間を見たら、もうすぐ8時。


もう外は来るだろうし帰らないと…



私は立ち上がった。




「えぇ~。千里、1人で帰るの?外、たぶん暗いよ」



「大丈夫。凛ちゃんはまだいるでしょ?」



凛ちゃんは気まずそうに笑う。




みんなもまだいるみたいだし…




「じゃあ…」



「俺が送る」



えっ?



帰るねって言おうとしたら、違う声で遮られた。





「えっ…。悟も帰るわけ?」



手を叩いて盛り上がっていた川上くんの手が止まった。