My Romeo & Your Juliet 【完】

カッコイイ先輩に声をかけられて、舞い上がってたんだろうか。

もともと華やかなステージなんて向いてるはずないのに。

演劇部を辞めて、今まで通り地味で目立たない自分に戻ろう。



授業が終わると、演劇部が練習しているステージの前は通らないようにして外に出た。



こっそり校門を抜けようとすると…

「おい…」

後ろから聞き覚えのある声が…



あたしは聞こえなかったことにして、鞄を抱えてスタスタ歩く。

全速力で歩いてるのに、足音はどんどん近づいてくる。



「逃げんじゃねぇよ」

力強い男の手に
グイッと腕をつかまれてしまった。