「麻柚ちゃん。その前に、話さなきゃいけない人いるんじゃない?」

「話さなきゃいけない人…」


真さんの車で2人きりになったときにそう言われた。

話さなきゃいけない人って…


「真さん!今電話してもいいですか?」

「うん。どうぞ。」


確か電話変わってないって言ってた…

昔も今も覚えてた、懐かしい番号を押す。


電話に出て…

お願い…


「もしもし」

「先輩…麻柚です」

「麻柚!連絡くれたんだ。
良かった…。
くれないかと思ってた…」

「…いっいえ…。あ、あの…今大丈夫ですか?」

「大丈夫だよ。
……もしかして告白の返事?」

「…はい」

「………」

「あの…あたし…「大丈夫。もう言わなくていいよ。」


ごめんなさい と言おうとした途端に遮られる。


「ごめんなさい。でしょ?」

「え…?」

「何となく分かってたんだ…。ただダメ元でさ…。
でも、麻柚を好きだったことは本当。だから麻柚を見た時気持ちが抑えれなくて…。
ごめんな。悩んだだろ?」

「…あたしも中途半端な態度とってごめんなさい。先輩、あたし大好きでした…。先輩なら良い人見つけれると思います…!」

「…おう。ありがとな。なんかあったら連絡しろよ?」