「うっ…泣くかもしれないけど見ないフリしてよね」
「わかったわかった」
そう言って手を頭の上に乗せた
ポンッポンッと優しく叩く暖かい手は“俺がここにいるから”と言ってくれてるみたい
だから私も安心して恋に話しはじめていた
「元カレ達也と付き合い始めたのは中学3年の夏くらい
雑誌の撮影でデートをしてる風な感じを撮るみたいなやつで
相手役はその時結構有名だった達也だった
お互いデート風の撮影は初めてで私は特に緊張してガッチガチだったの
でも達也はそんな私にたわいない話しをしてくれたり気持ちを和ませてくれた
“俺を本当の彼氏だと思って今日は存分に楽しもう”って言ってくれたんだ」

