あ…でも今先輩はいないはずなんだから…。

杏子のとこにーとかでも疑われ…ない……んでは?


「電話してきます電話!」


杏子と那智兄に…。よしっ。



―数分後、最初からわかってたらしい杏子はからかいながらも了承してくれ…那智兄はあっさりと騙さ…許可してくれた。


「もお…杏子も美紅ちゃんも」


あたしが先輩に拉致されたとき、もう正体を分かってたんだわ。

それでのんきに手なんて振って…。


「おい。一人でなにやってんだ? …アホだな相変わらず」


「いえ、別になにもしてな…って失礼なッ」


相変わらずて!!

あほって!!

むう。やっぱり先輩なんてきらいだいっ。


「っん…!? き、きゅうになに…」


「……きらい?」


「……」


黙り込むあたしを見て、くすくす笑う。


「お前は俺を嫌いにはなれねぇの。一生」


「…!」


……きゅん…❤

そのとおりで…。ばれてる。