…平和を乱す者は突如現れた!


「なにかしら」


「さあ…」


「関わらないほーが身のためだって! 急ごうぜ」


「う、うん…」


校門の辺りに人ごみが出来ていて、隙間から黒い車が見える。

どっちにしろ関係ないものだと思い、翔くんの言う通り足早にその人ごみをかき分けて校門を出ようとした。



―ガシッ




「…………へ?」


「え!?」


「ゆ、悠由!」


……それは、あっという間の出来事だった。



「澤村さん?」

「ええ? で、でも澤村さんは篠原先輩と…」



「ああ~~れぇ~~~」


「ゆ、悠由……。あのな…。…って違う!」


「待ってよアンタ……え…?」


「杏子? どうし……あら…」


……あっという間に…腕を掴まれ、車の中に引きずり込まれた。