そしてそれは、4時間目の英語の授業中のことだった。
つんつんっと右腕をつつかれて横を向くと、辻之内が机の上のノートをあたしの方へ差し出していた。
「………?」
視線を向けるとノートの左上に何か書いてあるようで、教壇の上を気にしながら身を乗り出しのぞいてみる。
“レポートは書けたの?”
声に出さずに読んで顔を上げる。
そしたら、無言のまま首を傾げ “どお?”って顔の辻之内がこっちを見てて、あたしは自分の教科書の右端にシャープペンを走らせた。
“書けてない (--;) ”
それを見せると、あたしの文字を読んでうなづいた辻之内が、ノートの端にまたなにやら書き始めた。