だけど、次の瞬間。
戸惑ってるあたしの方へ辻之内が腕を伸ばしてきたの。
そして、あたしの手を掴んで自分の口もとへ運び、ここ?って訊いたんだ。
触れられてる部分に一気に意識が集中して、頭の中でトックントックンと鼓動が鳴り響く。
「ここでいい?」
甘く囁くような声でもう一度訊ねられても、小さく頷くのが精一杯。
誘導されるまま、あたしの指が彼の唇の周りをゆっくりと弧を描く。
触れ合った肌の感触がこそばゆくて、その温もりに体が異常反応を起こしそうになった時、大丈夫? って顔をのぞかれた。
「え?」
「だって、また赤くなってるから」
「/////」
軽い笑みと同時に漏れる笑い声。
それから、あたしの頬めがけて長い指が伸びてきて──