「あー、それから時田?」

「はい?」


なによ。

まだなんかあるの?


「昨日の春の特別授業のレポートだが、提出期限は今月いっぱいだからな?」

だって。



まだ何週間もあるっていうのに、わざわざそんなこと言わなくたって。


そりゃあ去年は大幅に提出遅れたけど。

しかもクラス代表になったのに、研究発表会をバックレちゃったし。


でもそんなの、もう時効でしょ?



不満げに頬を膨らませたのがバレたのか、さらにキジモンが言う。


「時田、俺にそんな可愛い顔してもムダだぞ? そんな顔はカレシの前でしてくれ」



それを聞いたクラスメイト達から笑いが漏れる。


そして 「辻之内?」 とキジモン。


「はい」


「時田のレポートの進みが悪かったら、また面倒見てやってくれ」


「わかりました」


「まっ 俺が言わなくても、そうするだろうけどな」


なんてニヤけて言うから、またも教室が笑いで包まれた。