そこまで言うと辻之内は、観念したように話し始めた。


「緊張した時にたまに熱が出るのは、前に打ち明けた通り」


「うん」


「それがさ…“時田 湊 効果”で寝込んじゃったこと、何度かあるんだよね」


「あたしのせいで、寝込んだ?」


頷いた彼は、あたしの耳もとでちょっと笑った。


「最初は始業式。

尚太が前の日に学校へ行って教えてくれたんだ。時田と同じクラスになれたこと」


彼は続けた。



クラスが同じってだけでじゃなく、席が隣同士ってことを知って。

その事実に気持ちが↑になって……


あの時はとぼけてたけど。


始業式の日にちを忘れてたわけでもなく。

次の日遅刻したのも、そのせいだったって。


そんなことがあったなんて。


寝込んでたのはカワイソウだけど。

その想われ具合に、かなりキュンとした。