ひとつづつ、もう一度尋ね合う。


絡み合った糸が少しずつほどけるように、お互いに抱いていた誤解が解けていく。



駅に向かうため、林田くんの自転車にあたしが乗っていたとき。

辻之内は駅に向かうバスの窓から、あたし達の姿を見たんだといった。


横浜について偶然ココさん達に会った彼は、私書箱センターに行ったあとで気分が悪くなり。

リサさんがとってくれたこのホテルで休んでいたらしい。



「あいつと二人乗りしてる時田を見て、すごいショックで……危うくまた熱まで出るとこだった」


それじゃまるで具合が悪くなったのは、あたしのせいみたいじゃない?


気になるけど、またケンカみたいになるのはイヤだし。

いまは誤解を解き合うのが先。


「じゃあ、あいつとはなんでもないの?」

「うん。林田くんは、辻之内を追うあたしを助けてくれただけ」


そう伝えると、安心したようにやわらかく微笑んだ辻之内。


林田くんに告られかけたことは黙っておこう。

見かけによらず嫉妬深いみたいだから。