彼の両頬をそっと、この手で包みこむ。


「あたし、辻之内が好きだよ。すっごく好き、大好き」



真剣に伝えた言葉に彼は黙って頷きながら、

だけど『なのに、どうして?』って顔をした。



「ねぇ 辻之内?」


「ん?」


「さっきからあたし達の会話ってちょっとヘンかも。冷静になってもう一度、お互いに訊きたいことを確かめ合わない?」



そんな提案に彼はコクっと頷いた。