「カノジョのことが好きなくせに」

「カノジョってダレだよ?」


やっぱりズレてる、あたし達の会話。

さっきまでの甘い雰囲気はどこへやら。



「電話してもメールしても、シカトばっかりで」

「辻之内だって今日、学校であたしのことシカトしたくせに」


次第に睨み合い言い合う自分達の姿が、悲しくもなってきた。


「夏休み明けに態度が急変するし」

「当たり前でしょ? あんな姿見せつけられて」


「どうしてキスなんてしたのよ?」

「ホントにイヤだったの?」


そこで思わず沈黙してしまった、あたし。


「そうじゃなくて……」

「なに?」


そんな目で見ないでよ。

また泣きそうになる。