それからあたしはかなり長い間、泣き続けた。
シャワーを浴びてたのは、気色悪いオヤジでもなく。
こわ~いオッサンでもなく。
辻之内だってわかって安心はしたんだけど。
失恋による、このところの痛みと
この前ナカジーに襲われかけたときのショックと
今日一日の疲労と
さっきまでの恐怖と………
そういうのが一気に溢れだしたみたいに。
気持ちが高ぶり過ぎてて、落ち着くまでに少々の時間を要した。
その間、彼はずっと背中を撫でてくれた。
ベッドの上に向かい合って座り、あたしはずっと彼の胸に顔を埋めたまま。
涙が枯れかける頃に気づいたのは、
辻之内が着ているバスローブがはだけてるせいで、あたしは彼の肌に直に頬をつけてたことであって。
それがわかった途端、あたしの頬は真っ赤に染まった。