ヒタヒタと近づいてくる足音と気配。


後ろから漏れてくる湯気が頬をなでる。


硬直した体にイヤな温度の汗が流れるのを感じた。



「ひゃっ」


肩を掴まれたあたしが見たのは、バスローブの袖。


(ジャラジャラのほうだったんだ……)


恐怖のなか、そんなことを思う。



絶対絶命 ――


でもいやっ!!

そんなのいやっ!!



絶対にーーーっ



「イヤーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」