「えっと、それでなんだっけ?」


また急にリサさんの視線がこっちに向いて、あたしの体は緊張を増す。


「こっ ここは、どこなのかなって思って……」


遠慮がちに尋ねたのに

「ホテルだけど」って即答で返されて。


『それは知ってます』だなんて言えるわけもなく。

そのまま口を噤むしかない……。



緊張しすぎて肩がこってきたかも。

なんか痛いし……


訊きたくたって、これ以上訊けない雰囲気だし。


わけわかんないまま、部屋の中で立ったままの状態でいると ―――



「そうだ! アタシ、ネイルの予約入れてあるのよ今日!!」


ココさんが急に叫んだ。


その声にビクっと肩が震える。