考えてもなにもできなくて……


何しに来たんだろ? ってボーっと外を見ていたら。


向かい側に座ってるオジサンの携帯が派手に鳴りだし。

しかも躊躇なく、それに出てしまうオジサン。


ちょっとちょっとオジサンのくせに、マナーっていうモノを知らないの?


『今時の若い者は』なんてよく言われるけど。

若者ばっかりじゃないよ、非常識なのは。

ネエ ネエー オジサン! せめてメールにしなさいよ!!


……と、ブツブツと心の中で文句を言ってたあたしの頭に


ピキィーーーン


って閃きアンテナが立った。



―― 辻之内の携帯にかけてみる ――?



場所がわかんないなら直接訊いちゃえよ!

ってやつ。



でもさぁー、どうなのそれ?

できるの、それ?

やっぱり、さっきまでの状況じゃ……かけれないよなーー。



と、その時



あたしの携帯が振動した。