トボトボと通路を歩いてきたあたしは、空いてる席を見つけて腰を降ろした。
『俺もついていこうか?』
って心配そうに言った林田くんに、かたくかたーく断って電車に乗ったけど。
これから先、どうしようっていうのよ?
勢いだけじゃ、どうにもなんないよね。
住所もわかんないんじゃ……
急に気持ちが萎えてくる。
私書箱だけに郵便局!って思いこんでた、さっきまでのあたし。
林田くんに『郵便局じゃないと思うけど』って言われて。
頭に浮かんだのは、ただ“???”だけ。
彼曰く。
住所が〇〇ビルってなってたんなら、そういうサービスをしてるとこじゃないかって。
つまり一般の会社。
つまり郵便局みたいに、すぐに探せそうにないとこ。
つまり住所がわかんないんじゃ手も足も出せないっていう ――



