“控室”と入り口に張り紙をされた教室の中は、賑わっていて。
空いている席を見つけたあたしは、歩みより力なくそこへ身を預けた。
頭の中までジーンとする。
でも、こんなところで泣きたくない。
ただボーッとしていると、教卓を囲んでキャッキャッと騒ぐ女子達が視界に入った。
なにがそんなに楽しいんだろ?
無意識のうちに、彼女達の会話に耳を傾けていた。
「ザ・コイブミって感じ?」
「恋文ってミッチ、古いから~」
「それにしてもすごくない、これ?」
なにやら手に持ったプリントをヒラヒラさせて話してる。
「さっすが王子様~っ」
「あの顔してこんなこと言われたら、鼻血もんだね」
「ってアンタ、女のくせに」
「だって〝Loving you”だよ? “愛してる”だよ?
そりゃ出るってぇ、大量出血だってぇ~」
「でもこれって失恋してるっぽいよね?
プリンス様を振るってどんな女ー」



