「学校じゃなくて、どこか外へ連れだしてって言ったのに」


「……湊ちゃん、なんか変なモンでも食った?」


「は?」


「だって湊ちゃんからそんなこと言うなんて……

あっ わかった! ただ単に代表選手がイヤでバックレたいだけってやつ?
そんで校門を出たら、あっさりバイバイする気でしょ? そんでそんで、あとで全部俺のせいにしちゃおーっていう」


ちっ バレたか……。


バレちゃー仕方がない。



肩に置かれていた腕を無造作に避けて

「じゃっ あたし行かなきゃいけないから」

と背中を向けた。


そんなあたしに 「がんばってね~」 って手を振る吉井。


ふんっ


っていっても、最初から頼りになんてしてないけどね。