「湊ー、がんばってね~」
「時田ー! 噛むなよーっ」
冷やかしのようなクラスメイト達の声援に、あたしは苦笑いでしか応えることができないまま、教室をあとにした。
「はぁー」
廊下へ出て深い深いため息をつく。
9月24日。
今日は、“春季特別授業・研究発表”の日。
クラス代表のあたしは、控え室になってる教室へ向かわなくてはいけない。
荷が重すぎる……
いまさらだけど、なんであたし?
とぼとぼと廊下を歩いていくと、廊下で派手目な女子と談笑してるエロ男が目に入った。
こうやって見ると、みんなが言う通り結構イケメンなのに。
スケベ心まるだしでニヘラ~としてる、その姿。
やっぱりエロだわ……それしかないよ。