「もうっ……イヤだって…言ってる、でしょっ!!」



もがきながら後ろへ勢いよく蹴り上げた足がヒットしたらしく、なんとか逃れられた。


その勢いで前へつんのめりそうになって。

服の前が、はだけていたことに気づいた。


距離をとって真っ直ぐ睨んだら、乾いたように鼻で笑った彼が口を開いた。



「見かけによらず、つまんねーヤツ」


「……っ!」


「それじゃ工藤と変わんねーじゃん。オマエならもっとスレてると思ってたのに」



早くこの場を立ち去りたいとも思ったけど。

リカの名前を出されたことが気になった。



「……ねぇ どうしてリカにキスしたの?」



尋ねるとナカジーは馬鹿にしたような笑みを浮かべた。


こんなヤツ、殴ってやりたい ――


一瞬にして爆発しそうになる怒りを飲み込みながら訊いた。