未熟な天使 *恋と心理学と彼とわたし*

「もうっ だから暑いって!!」


慣れ慣れしく肩にまわされた腕を振り解く。


「なんだよー。密着すんのって久しぶりなのに、相変わらず湊ちゃんはつれないなぁ~」


なんて、恨めしそうな目で見てくる吉井。


相変わらずだね、そういう軽いとことエロいところは。


席替えをしたことで辻之内とだけじゃなくて。

夏休みが明けてからは、吉井ともすっかり話す機会が減っていた。



三人で並んで歩きだすと

「あれっ 湊ちゃん、足どうした?」

吉井が訊いてきた。


昨日よりは良くなったといっても、まだ片足を少し引きずった歩き方をしてしまう。


「ちょっとね……たいしたことないから気にしないで」


歩きながら軽くかわすと


「痛々しくて見てらんないなぁー。おんぶってあげよっか?」


懲りずにまたエロ視線。


するとリカが

「いらないっつーの!!」

と吉井の肩を押したあとで


「湊、あとで話したいことがあるの」

って、こっそり耳うちしてきた。


目を見たら、めずらしくマジメ顔をしてるからあたしは黙って頷いた。