結局そのあと1時間ほど経ったところで、あたしは帰ることにした。


あまり動かさないほうがいいっていっても、こんな足でカラオケしてる場合じゃないし。


送ってくれるって言う林田くんに、悪いからって最初は断ったけど。

ずっと拒み続けるのも申し訳ないから、甘えることにした。


ビルの下まで見送りに来てくれたリカに、手を振って歩きだす。


ナカジーはまだまだ時間が足りないみたいだし、リカは当然、何時間でもナカジーに付き合うだろうから。

せっかくだから、二人っきりにするのもいいかも。


リカの恋は成就してほしいなぁ ――

って、空を見上げて思った。