月の明かりが窓から差し込んでいる。
ベッドの上。
パーカーのフードを目深に被って、ペタリと座りこんでるあたし。
ちょっとだけ目線を上げると、夜空が滲んで見えた。
とんでもない勘違いをしていた ――
勝手に好きになっただけなのに。
好きだって言われたわけでもないのに。
想いが通じ合っているかのように、思ってた。
まさに勘違い。
思いあがり……。
あのキスだって、
たまたま場の雰囲気でそういう感じになったから、成り行きだったんだ。
辻之内だって男なんだから、
そういうことあるよね。
なのに、あたしって………。