「3回…?」


「あのコ、いまではあんな感じだけど。中学までは、チョーマジメだったらしくて。高校デビューってヤツ?」


「うん」


「ナカジーが好きだったって話も、それは仕方ないとは思うの。過去の話だし。
でもねあの女、それを言いふらしてるらしいんだよね」


「ナカジーをフッたっていう話を?」


「そうっ」とこたえたリカが、また荒いため息をついた。



なるほど。

それで不機嫌なわけね……。


辻之内を囲む輪の中で、ひと際目立っているのが今井さんだ。

さっきからリアクションも声も、一番大きいんだ。



「それで湊は?」


「えっ?」


「湊も元気ないじゃない?」


「いやっ あたしはー……」


「その後、王子とはどうなったの? 研究発表の課題、一緒に仕上げたんでしょ?」