そして、数センチだけ顔を離して訊かれた。


「時田は、どお?」


それって、キスの感想訊いてるの?


「……よくわかんないよ」

「じゃあ、まだ足りないってことだ」


甘く囁いて、そして口角にチュッて。

今度はあたしが訊いた。


「辻之内はどうなの?
 そのおー………男の、気持ちは?」


すぐには答えず、ちょっとだけ黙りこんだ辻之内。
そして、低く呟いた。


「俺も、まだよくわかんない」


それから、長くさっきより少し激しいキスの後。
唇が移動して──おでこに、頬っぺに、耳に、首すじに………色んなとこに触れ刺激されて………。

辻之内の指が、あたしのカーディガンの衿元に添えられた。