パッチリしていて形も完璧で、二重の線も綺麗な目。
ガラス玉みたいな色素の薄い瞳が、真っ直ぐにあたしの唇を見つめてくる。
綺麗なピンク色をしていて、少しぷっくりとした彼の唇。
指を伸ばして思わず触れたくなるくらいに魅力的。
見つめられたまま、少しの沈黙が訪れた。
……そして。
辻之内の上唇と下唇が少しだけ開いて……スローモーションみたいな動作で、綺麗な顔が………降りてきた──
チュッ
唇が触れ合った瞬間、あたしの中の想いが跳ねた。
大切にしまってあったカプセルの亀裂から、その中身が溢れだす。
優しくやわらかな感触にとろけてしまいそう……。
チュッ!
もう一度キスされる。
静まり返った教室に響いたその音に恥ずかしくなって下を向いたら、辻之内の指があたしのあごをくいっと持ち上げた。
いつもの彼らしくない強引な目つき。
でも、イヤじゃない。
胸がもっと熱くなるよ。



