職員室を出て、生徒玄関へ向かう。

すぐに、靴箱の向こう側に背の高い人影を発見した。

あたしが前に立つと「終わった?」って微笑んだ。


「うん。それにしても学校の中も暑いねぇ?」

「じゃあさ時田、ちょっと涼みに行く?」

「どこへ?」

「俺の、とっておきの場所」


そう言って、背中を向け歩きだした辻之内……って、どこへ行くの?

仕方がないから、その後を小走りで追いかけた。

誰もいない廊下に、あたし達のペタペタっていうスリッパの音が響いていた。