たっ、た、高いーっ!!!


ガラスの向こうなんて絶対に見れるわけなんてなくて、あたしの視線は一点を見つめたまま……。

はい。結局、乗せられちゃいました。観覧車ってやつに。

しかも”大観覧車”なんて、恐怖心をあおるようなネーミングだし。


向かい側に座る辻之内が言う。

「時田、案外平気みたいだね?」 って。


もうっ、どこをどう見たらそんな風に見えるわけ?


「大丈夫だよ。たったの7分だから」


って、その7分が一時間にもそれ以上にも感じちゃうこの感覚、わかんないだろうなー。

まったく、人の気もしらないで涼しい顔しちゃってさ。
なに? これってなんかの罰ゲーム?


ぶちぶちと心の中で文句ばかりを繰り返してたあたし……深~い溜め息を吐き出して前を見た。

だけど、その次の瞬間、かたまってしまったんだ。

だって、辻之内の頭の後ろ、いきなり視界に飛び込んできたものに目が点……っていうか釘付け? 状態に陥ってしまったから。