教室を出た後も、リカのお節介は続いていた。
「恋ぐらいしなさいよ!
帰宅部でバイトもしてない、デートの予定もない。放課後は家に帰るだけ……なんて、つまんなくない?」
“恋ぐらいしなさい”
そんなこと言われたって『あぁ そうですか』って、すぐに出来るもんでもないでしょ。
「彼氏いないのは、リカも一緒じゃん?」
ぼそっと呟いてみるも即効反撃された。
「でも、あたしは恋してるもん! 湊と違ってっ」
うっっ。
思わず返事に詰まってしまった。
“してるもん!”か ──……。
確かにあたしと違ってリカには、同じテニス部に好きな人がいるもんね……。